【ジェノバ(イタリア)26日=波平千種通信員】ACミランの日本代表FW本田圭佑(30)が、レギュラー奪回の大チャンスをフイにした。25日のジェノア戦(アウェー)で今季初先発したが、失点に絡むなどし0-3で完敗。ミランは7戦ぶりに負け、26日付イタリア各紙で「悪夢」「失望」「失敗」などと戦犯扱いされた。

 本田が先発で出た途端、ミランは負けた。前節、王者ユベントスを下すなど、ここ6戦負けなし(5勝1分け)と絶好調。ジェノア戦に勝てば首位浮上の可能性もあった。中2日の強行日程。背番号10に右FWで出番が回ってきた。待望の今季初先発。しかし、何もできず後半17分で交代。試合後は一言も話さずバスに直行した。

 前半11分には自陣深くまで守備に戻ったが、オフサイドを取ろうと一気に押し上げたDFラインに取り残され、失点を招いた。コリエレ・デロ・スポルトは「本田は失敗」と断罪。1発退場したDFパレッタと同じ、チーム最低の落第4点をつけた。ガゼッタ・デロ・スポルトは本田とポリの名を挙げ「失望させた。たった2人の選手を代えただけでミランは崩壊した」。本田についてはさらに「シュート0、1対1の争いに勝つこと0、ドリブル0、成功したスルーパス0、味方へのロングパス0」と“ゼロ回答”だったとした。

 本田は瀬戸際の状況や、ここ一番に強く、のし上がってきた。ミランでの現状を一変させる最後のチャンスだったかもしれない。これで、今季リーグ出場は3試合計81分。まだ出番は1試合=90分にも満たないままだ。