国際オリンピック委員会(IOC)は4日、アテネで開いた理事会で、東京など7都市が名乗りを上げた2016年夏季五輪開催地について第1次選考を行い、64年以来2度目の開催を目指す東京が順当に通過した。

 東京のほか、96年アトランタ大会以来の米国開催を目指すシカゴ、12年五輪に続く挑戦のマドリード(スペイン)、初の南米開催をアピールするリオデジャネイロ(ブラジル)の計4都市が通過。注目されていたドーハ(カタール)とプラハ(チェコ)、バクー(アゼルバイジャン)は落選した。

 開催都市は来年10月2日のIOC総会(コペンハーゲン)で、IOC委員の投票により決まる。通過都市は「立候補都市」と呼ばれ、今後は国際的なプロモーション活動が解禁される。来年2月に各都市は詳細な開催計画を記した「立候補ファイル」をIOCに提出し、IOC評価委員会が各都市を現地調査して総会に提出する評価リポートをまとめる。

 第1次選考は書類による選考で、各都市はIOCからの25項目の質問に答える形で開催計画の概要を説明。IOCはすべての候補都市から今年1月に提出された「申請ファイル」を分析し、数値化したリポートを作成した。関係者によると、中央区晴海に新設予定の五輪スタジアムを中心に、半径8キロ以内にほとんどの競技施設が集まる「世界一コンパクトな五輪」を強調した東京の開催計画は、7都市で最も高い総合評価を受けた。