ソフトバンクは敗れはしたが、「近藤の復帰」という大きな収穫があった。腰の手術をへて、約2カ月ぶりの1軍戦。そこでどういうバッティングを見せるのか、注目した。
初回の第1打席。2死走者なしで伊藤に2球で追い込まれたが、低めのスプリットを見極め、最後はフルカウントから右前打を放った。甘めではあったが、内角の真っすぐに振り負けなかった。3回2死一、二塁の第2打席は高め真っすぐに遊ゴロだったが、これも、ほぼほぼ捉えた当たり。紙一重だった。
これが2カ月ぶりに1軍戦に出た選手のスイングなのかと、改めて近藤の対応力の高さを感じた。2軍戦には出ていたが、わずか2試合で7打席のみ。にもかかわらず、全くブランクを感じさせない。私も現役時、腰を手術した経験があるが、怖さなく振れるまで4カ月ほどかかった。もちろん、手術の程度があるため単純比較はできないが、近藤はスイングが体に染みついているのだろう。
一方、日本ハムバッテリーは、最初の2打席は真っすぐ中心に攻めた。復帰してきた近藤が1軍投手のキレやスピードにどこまで対応できるのか。初回は2死走者なしでもあり、真っすぐに力がある伊藤で試すには絶好の場だった。だが、そんな相手の思惑を、近藤は簡単に上回った。第1打席で真っすぐを打たれながら、第2打席でも真っすぐ中心だった理由は分からないが、5回の第3打席はそれまで近藤に1球しか投げていなかったスライダーから入った。慎重にいったが、結局カウント1-1からスプリットを中前打された。
言うまでもないが、ソフトバンク打線に近藤は欠かせない。一選手としての力は当然として、チームに相乗効果を与えられる存在だ。今は7番を打っている山川だが、去年のように4番山川の後ろに5番近藤を置けば、相手は山川に対しボール中心には攻められなくなる。山川は「自分が打ちたい」タイプ。それが後ろに近藤がいることで、ボール球を振らない我慢ができる。昨年、本塁打と打点の2冠を取った背景には、近藤の存在も大きかった。また、近藤効果で山川が復調すれば、今は4番を打っている中村を3番に置いたり、貴重な代打要員にしたりもできる。選択の幅が広がるのは間違いない。
ソフトバンクは開幕は出遅れたが、若い選手の頑張りもあり、勝率5割前後をキープしている。周東に続き近藤も復帰。交流戦を前に貯金を増やしていきたいところで、絶好のタイミングだった。(日刊スポーツ評論家)




