試合前から「?」を抱いていた。阪神の日本シリーズ第2戦の先発は、CSファイナルの第2戦で先発した才木ではなく、公式戦では8月9日以来の登板となるデュプランティエだった。公式的な発表がなく、臆測になってしまうのだが、才木に何かアクシデントがあった可能性があると思ってしまった。デュプランティエが第2戦に先発した理由は、それぐらいしか思い当たらなかった。
第2戦に先発させるのだから、よほど状態がいいのを確認していたとは思う。しかしデュプランティエの立ち上がりを見ると、とても状態がいいように見えなかった。初回の真っすぐは150キロ台をマークしていたが、ほとんどが150キロを少し超えただけ。あとは154キロを1球マークしただけだった。何よりも思い切り腕を振って150キロ台中盤を超えるいつもの真っすぐではなかった。これでは高めに打者の目線をそらすためのナックルカーブや、真っすぐ狙いの打者に対して少しだけタイミングをずらすカットボールは有効に使えない。2イニング目に立ち直る可能性はあったが、150キロに満たなくなっていた。これでは抑えようがない。
シーズン中のデュプランティエの実力を考えれば、第2戦の先発でも理解できる。しかし故障明けで公式戦は8月9日以来だった。試合がなくなったCSファイナルの第4戦に予告先発されていたが、日本シリーズで先発の順番を入れ替える理由は見当たらない。日本シリーズの初戦と第2戦に先発する投手は特に重要で、第7戦までを想定すれば万全な状態で2度の先発機会がある。それでも故障明けの投手を先発させるなら、2番手でロングリリーフできる投手をスタンバイさせる必要がある。阪神には伊原がスタンバイしていたし、2回2死二塁から周東にタイムリー三塁打を浴びた後か、遅くても柳町に四球を出した時点で伊原をリリーフさせるべき。結局、2番手でリリーフした岩貞が打ち込まれ、試合は決まってしまった。
個人的に阪神が圧倒的に優位だと予想していた。しかし、ソフトバンク打線は復帰した近藤の状態がよく、今試合でスタメン出場した不振の山川まで3ランを放った。打線が息を吹き返し、第3戦は絶対エースのモイネロが先発してくるだろう。ここで連敗して勝ち越されると、形勢は逆転する可能性がある。別に発表していないだけで、阪神ベンチの多くがデュプランティエの先発に納得する理由があるのなら問題ないのだが…。第3戦はモイネロから勝ち星を挙げ、この流れをはね返すのか。嫌な流れがそのままになるのか。目が離せない第3戦になった。(日刊スポーツ評論家)




