400号のメモリアル弾はいつ出るのか-。プロ通算399本塁打の巨人阿部慎之助捕手(40)が開幕から「王手」が続いている。ここまでは代打の切り札として7試合7打席で6打数4安打3打点、打率6割6分7厘。6日DeNA戦(横浜)で今季初安打を放ち、プロ入りから19年連続安打をマークし「そうなの? よかったね。おめでとう」と淡々と振り返った。

オープン戦の終盤はふくらはぎ痛で再調整も開幕にはしっかりと合わせた。代打の切り札のみならず、チームの精神的支柱として有形、無形の存在感を醸し出している。「自分がチームに貢献するためには、どうすればいいのか」。キャンプ中から自問自答を繰り返してきた。試合前の練習では投手陣の投球を受け、アドバイスを送ることもある。イニング間はベンチを飛び出し、声を張り上げてナインを出迎える。

本拠地の東京ドームでは試合前に「あと1本で400本塁打」のアナウンスが流れる。大台達成に備えて、記念ボード、花束も毎試合用意されている。「分かってるよ。花束代もかさむしね。悪いなと思うけど、そう簡単に出るもんじゃないし」とスタッフに気遣うのも、また阿部らしい。

数々の修羅場をくぐり抜け、数々の劇的勝利を演出してきた大ベテラン。過去399本塁打は満塁弾が10本、サヨナラ弾は7本、サヨナラ満塁弾が1本。代打本塁打はわずか2本。どんな離れ業でメモリアル弾を決めるのか-。“Xデー”をドキドキしながら待ちたい。【巨人担当 為田聡史】