中日ドラフト1位の石川昂弥内野手(18)が、センバツに出場予定だった球児にエールを送った。昨年のセンバツでは決勝習志野戦の2発など3本塁打を放ち、全5試合に先発して全5戦勝利投手に輝く二刀流で優勝に貢献。夢と消えた甲子園出場は「かわいそう」としながら、現実を「受け入れる」ことで、「もっと強いチームになる」と自らの経験を踏まえて熱く呼びかけた。

19年4月、センバツで優勝を果たし抱き合う東邦・石川昂弥(右)
19年4月、センバツで優勝を果たし抱き合う東邦・石川昂弥(右)

今年のセンバツが中止になったことを聞いたとき、本当にびっくりしました。センバツに選ばれたみんなをテレビで見ることを楽しみにしていたので、すごく残念でした。他校の僕の下の学年で、センバツに出場予定だった選手に知っている子もいたので、かわいそうだと思いました。

でも。なくなってしまったことは受け入れるしかないと思います。引きずっていても、自分のためにも、チームのためにもならないと思います。この思いを忘れずに練習を続けていけば、もっと強いチームになるはずです。

僕はセンバツに出る前の2年秋の新チームから、主将にもなりました。でも、めちゃくちゃ弱かった。まずは「甲子園」って目標を立てたけど、行けないだろうとも思ったくらい。でも、チームの他のみんなも「甲子園に行く! 行く!」って口に出していた。口に出すことでチームはどんどん強くなり、最後に頂点に立てたのだと思います。

甲子園に行って、あそこは自分の力以上のものが出せる場所だと感じました。投手でのプレーは甲子園が最後になったけど、(投手として)こんなにやれるんだと…。まさか自分が決勝戦のマウンドで優勝の瞬間を迎えるなんて、想像もしてなかったですけどね。

僕たちもそうだったけど、みんなには目標を口に出して欲しい。まず、口に出して言うのが大事。だからプロに入った今でも僕は口に出して言っています。3冠王になる。中日の4番になる。そして日本の4番になる。プロ野球もまだ開幕ができていないけど、これからも僕は目標を言い続けます。みなさん、頑張りましょう!(中日ドラゴンズ内野手)

(この項おわり)