関西学生野球の1~2年生が参戦するチャレンジリーグで、立命大1年の野村恭介捕手と1年ぶりに再会した。昨年のこの時期、履正社(大阪)グラウンドで話をして以来。捕手としてスタメン出場したが「まだまだうまいこといってないので、これからですね」と明るい表情だった。

履正社特有の制度「プレーイングマネジャー」として活躍していた。同校は専属マネジャーをおかず、代々、選手の中からプレーイングマネジャーが任命される。主力が務めることも多い。1年秋からメンバー入りし、2年秋は正捕手も務めた攻守の要。だが、最後の夏を前に思うようにパフォーマンスが上がらず、肝心かなめの大阪大会のメンバーから漏れた。

実は取材日の前日が、メンバー発表の日だった。ショックを隠そうとしても上手に笑えていなかった。

高校時代は大阪南部から2時間近くかけて通学していた。帰宅後、就寝まで1時間と少し。朝はすぐに家を出る。そんな毎日を送りながら、過酷なレギュラー争いに加え、接客対応や遠征準備など難しい役割もこなしてきた。

メンバー落ちした日、帰宅の前にLINEで家族に報告をした。親は声をかけてこなかった。当時はこう話していた。

「僕が泣くと分かっていたから、そっとしておいてくれたんでしょうね。悔しいけど、マネジャーとしてまだやるべきことがある。家族にはこれまで支えてくれてありがとう。そして、メンバーに入れなくてごめんなさいという気持ちです」

名門・立命大に進んだ野村は、再び選手として力強い1歩を踏み出していた。この日はちょうど、あとから練習試合をする履正社と入れ替わり。恩師の多田晃監督(45)ともあいさつできた。多田監督が球場入りした瞬間、代打を出される絶妙なタイミングに「今日は打っていなかったので、ちょっとホッとしました」と、1年前とはまるで違う笑みを見せてくれた。強い風雨の中で、生き生きとプレーする姿にこちらもうれしくなった。【柏原誠】

関西学生チャレンジリーグに出場した立命大・野村恭介(撮影・柏原誠)
関西学生チャレンジリーグに出場した立命大・野村恭介(撮影・柏原誠)
関西学生チャレンジリーグに出場した立命大・野村恭介(撮影・柏原誠)
関西学生チャレンジリーグに出場した立命大・野村恭介(撮影・柏原誠)