プロ注目の右腕を見逃すな!! 日大三島のエース小沢怜史(3年)は昨夏の準々決勝で県内最速148キロをマーク。県内NO・1の呼び声が高まったものの、昨秋は静岡に2度のコールド負けを喫するなど満足できる成績を残せなかった。最後の夏に目標の甲子園へとチームを導く覚悟だ。また、今日27日には組み合わせ抽選会が開かれる。

 小沢が本番モードに入ってきた。4月上旬に左太もも裏からおしりにかけての部分に違和感を覚え、かばいながらの投球を続けた。県大会初戦で1失点ながら浜松商に敗戦。5月17日にプロ最注目右腕の高橋純平(3年)の県岐阜商と対戦したが7回10安打7失点と不調続き。本来の姿とかけ離れていたが「6月から練習に復帰して走りも大丈夫」と自らゴーサインだ。

 県岐阜商戦の投球内容は「あのときからは本当に良くなった」と振り返る。高橋との投げ合いにスカウトが多数集結。投げざるを得なかったこともあるが「底」を経験した今、復調あるのみ。今月に入って県外、県内の強豪との練習試合に登板し、140キロを超える速球と鋭いスライダーで抑えている。三重の宇治山田商戦では相手の好投手に触発され「相手が強い方が燃える」とブルペンから気合が入ったそうだ。

 ノースロー時期に投球を見直した。昨秋の県大会準々決勝(藤枝明誠戦)で公式戦初完封。「明誠の映像と最近のフォームを見比べてみた」ところ、以前よりも上半身のひねりが大きく、握りやリリースが打者に見破られやすくなっていたことが判明。県岐阜商戦では下がり気味だった右肘も「秋のころのフォームに戻そうとしている」と修正しつつある。

 昨秋県大会、東海大会で苦杯をなめた静岡へのリベンジに燃える。もう負けたくない。「あっちは負けないだろうから、甲子園に行くにはどこかでやらないと」。ノーシードのため、くじ運も重要だが「どうせやるなら(相手の)初戦か最後の決勝がいい」と気持ちのボルテージを上げた。【加納慎也】

 ◆小沢怜史(こざわ・れいじ)1998年(平10)3月9日、岐阜・大垣市生まれ。三島市に移り三島リトルジャイアンツに入団し静岡裾野シニアへ。日大三島に進学し1年秋からメンバー入り。2年春から右翼手となり秋からエース。180センチ、77キロ。