1回戦屈指の好カードは、飛龍が富士市立を下した。公式戦初先発の伊藤塁投手(3年)が初完投の力投でチームを勝利に導いた。

 飛龍の伊藤塁が、志願の公式戦初マウンドで躍動した。序盤からスピードやフォームに変化を加えた変幻自在の投球で相手打線に的を絞らせない。3点リードの4、5回には立て続けに味方の失策絡みで2点を失ったが崩れなかった。9回4安打3失点も、自責点1点の力投で初の完投勝利をつかんだ。

 伊藤塁は2年秋に右上手からサイドスローに転向。5月から急成長を遂げ、大会前の練習試合では横浜に4回1失点。高崎健康福祉大高崎にも5回2失点と好投を見せ、ようやく背番号「1」を勝ち取った。「3年生のピッチャーは自分だけ。次も自分の投球を貫き通して、引っ張りたい」。秋、春と連続で県大会を逃した飛龍が“遅咲きのエース”を中心に第2シードの東海大静岡翔洋に挑む。【前田和哉】