飛龍は9回裏に決勝点を挙げて常葉学園橘にサヨナラ勝ち。

 9回裏2死二塁、飛龍の西川拓登(3年)が初球のストライクを見逃すと、米倉亮監督(31)が「ガンガンいけ」と叫んだ。激励を受けた西川は3球目の直球をたたいた。打球は三遊間を抜けて二塁走者が生還。7年ぶりの4強を決めた。西川は5回と7回の好機を逸していただけに「次のチャンスが必ずあると信じていた。延長戦は考えず、ここで決めてやると思い打席に入った」と振り返った。

 飛龍は昨秋、今春と県大会出場を逃した。4月以降、平日は朝は午前5時から練習を始め、夜は午後10時にまで及んだ。これまでは午前6時起床だったが、毎朝午前4時に起きる日々を送ってきた。西川は土日の練習で普段より練習時間が短いと、さらに素振りなどを課し、ひたすら打撃力向上に取り組んだ。「みんな1日で1000球以上は打ち込んできた。夏に勝つにはやるしかないと思っていた」。夏の勝利を信じて、苦しい練習を乗り越えてきた。

 準決勝の相手は磐田南対知徳の勝者だが、決着がつかず再試合となった。2日間の調整期間を得た西川は「厳しい試合が続いていたので、助かる。気持ちを切らさず、体調を整えて、勝利できるように準備したい」と気を引き締めた。【大野祥一】