福井国体で特別競技として開催される高校野球硬式(30日~10月3日、福井県営球場)に、今夏甲子園16強の常葉大菊川(静岡)が出場する。10月1日の初戦で、甲子園準優勝の金足農(秋田)と対戦。高校日本代表としてU18アジア選手権3位に貢献した奈良間大己内野手(3年)と根来龍真捕手(3年)を中心に、相手エースで今夏の高校球界のスター吉田輝星投手(3年)攻略を目指す。

同世代NO・1の呼び声高い最速150キロ右腕との対決を前に、室内練習場でバットを振り込む奈良間の手にも、自然と力が入る。

奈良間 相手が「吉田輝星」なので、楽しみです。

フルネームで名を挙げた金足農エースとは、高校日本代表で合宿から大会終了までの18日間をともに過ごした。ムードメーカーで「いじられキャラ」だった奈良間は、吉田ともすぐに意気投合。練習の合間には、根来らも交えて談笑する姿も多く見られた。吉田について「普段は普通の高校生」と評するが、野球に対する姿勢には一目置いている。「オンとオフのスイッチの切り替えがすごくしっかりしている。球種も豊富で球威があり、高校を代表する投手だと感じました」。大いに刺激を受けた仲間だが、公式戦で対するとなれば話は別。「仲良くはなりましたが、打つだけです」と言った。根来も練習ブルペンなどで吉田のボールを受けており、球種や球筋は把握済み。吉田を知る2人が、攻略のキーマンになることは間違いない。

代表で半月以上も菊川を離れていた奈良間と根来だが、11日の帰静後はほぼ毎日、練習に参加している。同期の3年生たちと久々にプレーした奈良間は「やっぱり楽しいし(代表とは)違う面白さがあります」と“菊川スタイル”の楽しさを再認識した様子。同校伝統のフルスイングで剛腕吉田を打ち崩し、甲子園から続く「金農フィーバー」にも終止符を打つ決意だ。【鈴木正章】