さぁ、大船渡旋風だ! 第101回全国高校野球選手権岩手大会(7月11日開幕)の組み合わせ抽選会が26日に行われ、最速163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)を擁する大船渡の初戦(2回戦)の相手は、遠野緑峰に決まった。全国区の盛岡大付、花巻東とは大会終盤まで対戦の可能性がない。令和の怪物がジャイアント・キリングで甲子園へ進む道筋が見えてきた。

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新チーム以降、公式戦未勝利の遠野緑峰に対しては「4番中堅」で先発し、1本塁打を含む5打点の活躍で白星発進。宮古との3回戦では7回途中から初登板し、春に磨いた変化球主体の投球。ピンチは招いたが無失点で締めた。

今春の県大会準優勝で第2シード盛岡四との4回戦で初先発。150キロ超は10球程度だったが、94年に優勝経験(同県では公立校最後)のある進学校に9回1失点完投。勢いに乗った翌日の準々決勝では、春8強の久慈を相手に打撃で貢献。登板した和田吟太投手(3年)を援護し、5番木下大洋外野手(3年)とのアベック弾で接戦を制した。

準決勝は今春センバツ出場の盛岡大付戦。昨秋の県大会準決勝で5-7と打ち崩された強敵に火がついた。初回から160キロ。2回の1死満塁のピンチでは、ついに日本ハム大谷翔平(現エンゼルス)が記録した日本最速165キロ! 2者連続三振で脱すると、1-0の完封。強打線を翻弄(ほんろう)した。

連覇を狙う花巻東との決勝でも連投。8回に自身の適時打で勝ち越し。9回はスライダー、フォークで連続三振に斬ると、最後も160キロに迫る高め直球で空振り三振で締めた。「佐々木朗希ガッツポーズ! 大船渡35年ぶり2度目の甲子園だ~」。こんな実況が響き渡る期待は着々と高まりつつある。