仙台育英が県内公式戦37連勝でV9を飾った。3-0で東北とのライバル対決を制し、秋は9年連続24度目の県制覇。系列の秀光中教校出身バッテリーが活躍し、1年生左腕・古川翼が4回を2安打無失点、先輩の2年生エース右腕・伊藤樹が残り5回を無安打に抑え、木村航大捕手(2年)も完封リレーを導いた。3位決定戦は柴田が古川学園を振り切り、7年ぶり3度目の東北切符を獲得した。

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王者・仙台育英の牙城は揺るがなかった。秋は5年ぶり17度目の東北との頂上対決は、初回に挙げた3点を2投手の継投で守り切った。

先発の古川は初回先頭から4者連続三振で始まり、得点圏に2度走者を背負ったが、動じることなく無失点で先輩エースにバトン。伊藤も打者16人に対して外野飛球は2本だけと、打たせて取る余裕の投球術で貫禄を示した。前エースの向坂優太郎(3年)から背番号1を引き継ぎ、「コロナで(春夏の)甲子園に行けなかった3年生から日本一の目標を託されたので、チームを引っ張っていく」と主戦の自覚を口にした。須江航監督(37)は「組み合わせが決まった時から古川の先発は決めていた。3回までと思っていたが、よく粘って大きな収穫。伊藤もエースにふさわしいピッチング」と評価した。

チームは18年秋の中部地区予選決勝で東北に2-3の敗戦を最後に、今夏の独自大会を含めて県37連勝中だ。地元開催になる東北大会(10月14日開幕)では、県1位の「ホストチーム」として連覇に挑む。8月の東北大会決勝で制球が乱れ、聖光学院(福島)に敗れた悔しさを知る伊藤は「ウエートトレーニングで下半身を強化してキレも良くなり、コントロールも安定しました」と最速146キロの速球に変化球を駆使し、再び頂点に導く。【佐々木雄高】

▽東北・原田凌成主将(2年=前日26日に打球直撃の2年生エース右腕・岩佐拓郎が右足首骨折で東北大会出場も絶望的になる中、投手陣は初回の3失点のみと奮闘も打線が援護できず)「変化球に対応できずにボール球に手を出してしまった。悔しさをバネにして修正したい」