昨秋県4強の作新学院が、3年ぶり28回目の関東大会出場を決めた。背番号10の林拓希(ひろき)投手(3年)が投打でチームをけん引した。兄は、同校が19年夏の甲子園で8強入りした時のエース林勇成(ゆうせい)投手(現国際武道大)。憧れの背中に1歩近づいた。

2番手として、4-2の6回からマウンドへ上がった。130キロ台の直球に加えて、兄直伝の縦に変化するカットボールを丁寧に操り、3回1/3を被安打1の5奪三振で2失点(自責1)。「攻撃へつなげて、打者を乗せたいので」と返球を受けるとすぐモーションに入るテンポの早い投球で、しっかり役割を果たした。小針監督も「林は自分の投球がしっかりできていた」と評価した。

7回には、先頭でフルカウントからの直球を左翼スタンドの芝生席に運んだ。高校初本塁打の記念すべき1発が、結果的に貴重な決勝点となった。「(9回1死で降板し)最後まで投げきるのが投手。最後まで粘れなかったので、投球は85点。打撃は100点に近いです」と笑顔で自己採点。大舞台での活躍を目標に「兄を目指して、超えられるように頑張りたい」と意気込んだ。【保坂恭子】