今春センバツ出場の柴田が初戦突破を決めた。仙台商を4-1で撃破。先発したエース右腕、谷木亮太投手(3年)が9回を5安打1失点で完投。女房役の舟山昂我捕手(3年)が8回に先制適時打をマークするなど、チームの勝利に貢献した。

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苦しみながらも、春初戦を突破した。エース谷木が、166球の力投で9回を投げ切った。立ち上がりからボール先行が続き、5回までで球数は100球を超えた。それでも、要所ではきっちり抑えて、7回までスコアボードに「0」を並べた。キレのある直球を軸に11奪三振もマーク。平塚誠監督(48)は「序盤はコントロールに苦しんで、球数が多くなったけど、後半は直球主体で抑えてくれた。試合の中で変えられたのは成長」と目を細めた。

エースの力投に女房役の舟山が応えた。0-0の8回2死三塁の場面。左打席に入った。初球の真っすぐをコンパクトに振り抜く。打球は一塁手の横を抜けて右前へ転がり先制点をマーク。7回まで1安打に封じこまれていた打線が、さらに3安打を放ち、この回3得点を奪った。「(平塚監督から)『1球勝負だ』と言われていたので、直球だけに絞っていた」と指揮官の助言を体現した。

今春センバツでは初戦で京都国際に4-5と延長戦の末に敗れた。敗戦後の練習では、期間限定で主将を入れ替えるなど、選手の意識改革を行った。舟山は「責任感が出て、1人1人に声かけを行うようになった」とチームの結束力が増した。

次戦は16日、古川工と対戦する。平塚監督は「課題はまだまだある。1試合1試合を戦いながら、つぶしていきたい」。1戦1戦を勝ち抜き、柴田ナインがたくましくなっていく。【佐藤究】