花巻東が9安打9得点で一関学院に快勝し、準決勝に駒を進めた。

豪快な1発だった。0-0の1回1死。佐々木洋監督(45)の長男、麟太郎内野手(1年)が左打席に立った。カウント1-1からの3球目を強振。打球はあっという間に右中間芝生席に飛び込んだ。前戦の16日平舘戦をまたいでの3打席連続アーチ。今大会3本目に「入るとは思わなかった。持ち味のフルスイングをして、チームに流れを持ってきたかった」。3-0の2回2死二塁の第2打席では、初球を振り抜き、右越え適時二塁打で追加点を挙げた。2安打2打点の活躍で4強入りに大きく貢献した。

投げては先発した2年生左腕、萬谷大輝が7回4安打3失点の好投。変化球を低めに集めて、凡打の山を築いた。立ち上がりから、4回まで3度の併殺で仕留めるなど、3者凡退に抑えた。奪った三振は0。リズム良く打たせて取った。8回から2番手で登板した最速147キロ右腕、菱川一輝(3年)は2回を無安打無失点、3三振を奪う快投。萬谷は「味方の守備を信じて、テンポ良く打たせて取ることができた。田代(旭捕手、2年)も引っ張ってくれた」と笑顔で話した。

春の県3連覇へあと2勝。萬谷は「春は優勝して、第1シードで夏に臨みたい」と言葉に力を込めた。【佐藤究】