東北学院榴ケ岡は1-0で第5シードの日本ウェルネス宮城を下し、4強進出の19年に続く6大会連続で初戦突破を決めた。1回表、投手兼任の伊東航星中堅手(3年)が先頭打者本塁打を放ち、7回からは4番手で救援登板。残り3回を4安打無失点に抑え、自ら挙げた虎の子の1点を守り抜いた。

まさに投打のワンマンショーだ。打者・伊東のガッツポーズで始まり、投手・伊東のガッツポーズで終わった。4投手による完封リレーを成立させた伊東は「相手打者を崩してくれた継投のおかげ」とつないでくれた3投手に感謝した。公式戦初の先頭打者を任され、自ら挙げた「スミ1」を守り切った。相手エースの出ばなをくじく先制パンチ。高めに浮いた2球目の直球を左打席から右中間に運んだ。伊東は「つなぐつもりでした。(バットの)芯に当たってメチャ気持ちよかった。飛んだなという感じ。鳥肌が立ちました。まぐれです」と謙虚に高校初本塁打を振り返った。

軟式野球部だった吉成中から投手。今春、エースナンバー「1」を背負ったが、現在は「8」。だが「マウンドに立ったら全員が1番」と気にしていない。早めの継投策がズバリ的中した佐々木貴紀監督(51)は「思い切りがよくて足もある。すべて平均以上。守備もいいので専念できるように(継投の)最後は伊東と決めていた」と投打の二刀流を後押しする。切り込み隊長の務めを果たした伊東は「次もつなぐ気持ちでチームに貢献したい」と県頂点を目指す。【佐々木雄高】

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