東洋大姫路(兵庫)は4日、19年夏の甲子園を制した履正社(大阪)の岡田龍生監督(60)が来年4月1日から新監督に就任すると発表した。同監督は茨木市内の学校施設内で会見し、来年3月限りで履正社を定年退職すると説明した。履正社の後任は多田晃部長(43)が務める。

「正式には今年5月に打診がありました。でも35年やってきて全国優勝までさせてもらって。履正社の方は多田先生の指導力が十分なので不安はなかったが、すぐに分かりましたと答えは出せなかった。東洋大姫路の強い熱意、誠意を感じて、そういうところでの葛藤もあった。最終的には母校の方で最後もう1度頑張らせてもらおうかなという結論に至りました。母校でなければそういう気持ちにならなかったと思う」

87年から履正社の監督を務め春9度、夏4度の甲子園出場。14年春と17年春に準優勝し、19年に夏の頂点を極めた。近年は大阪桐蔭としのぎを削り「大阪2強」の地位を固めた。

オリックスT-岡田、ヤクルト山田、ロッテ安田ら強打者を次々と送り出した。2年前の優勝世代も阪神井上を軸とした強力打線で勝ち上がった。「最初は守って勝ってだったが、甲子園で痛感したのは打てないと勝てないということ。少しずつ成果は出てきた」

東洋大姫路は藤田明彦監督(64)の来年3月限りでの退任も発表した。学校側からは打力アップを期待されており、「強力打線と言われる打線を作って、もう1度、全国優勝できるチーム作りを目指したい」と理想を描いた。