帝京長岡が13-2で長岡に5回コールド勝ちし、4回戦に進出した。公式戦初出場でスタメンの5番有馬凜空(りく)捕手(1年)が初打席の1回表2死一、二塁で右翼フェンス直撃の先制2点三塁打。4打数3安打4打点で高校デビューを果たした。5日の4回戦は新潟と対戦する。

十分な手応えを残した打球が右翼フェンス上部を直撃した。帝京長岡・有馬は速度を落とすことなく、一気に三塁に到達。塁上から一塁側ベンチのチームメートに向かって大きくガッツポーズをみせる。「走者をかえしたかった」。1回表2死一、二塁の先制機で迎えた公式戦初打席。直球をきっちりととらえた。

この後も快音を響かせる。4回表の第3打席は中前打。10-1の5回表は2死一、三塁から左中間に2点二塁打。4打数3安打4打点と“猛打賞”で高校デビューだ。芝草宇宙監督(53)は「しっかりスイングできている。捕手としても落ち着いていた」。初マスクでも今大会初登板の左腕・長沢光琉投手(3年)を好リード。ピンチではこまめに声をかけ、走者の動きに目を光らせた。

スタメンを告げられたのは1日の練習時。「緊張しては寝られなかった」。そんな硬さをほぐしてくれたのは先輩だった。正捕手の竹部新之介(3年)は長沢の変化球の特長をアドバイス。一塁手の浮ケ谷航平(3年)らには移動のバスの中で「新聞に載れよ」といじられた。「おかげでリラックスできました」と初打席には集中して立てた。

福島県出身。須賀川シニアでは攻守の要だった。県内の進学も頭にあったが「甲子園で優勝できるチームだと思った」と練習見学で感じた帝京長岡を進路に選んだ。「勝利に貢献できて良かった」。高校野球生活の好発進を喜んだ。【斎藤慎一郎】