新発田が新潟工に5-3で競り勝った。7回表の新潟工の攻撃中に停電で20分間の中断があった後に流れをつかみ、3-3の8回裏1死三塁から途中出場の9番清野暖大(はると)二塁手(2年)の左前適時打で勝ち越した。

帝京長岡は高田北城に7-0で8回コールド勝ち。公式戦初登板初先発の中田凰太投手(3年)が8回を4安打に抑えて零封した。

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新発田の清野が熱戦に終止符を打った。3-3で迎えた8回裏1死三塁の2打席目で、新潟工の2番手・佐藤輝空(3年)の初球を左前に転がした。一塁上ではポーカーフェースを貫くも、直後に二盗を成功させ、2番高橋蓮珠(れんじゅ、2年)の左前適時打で一気に生還すると、ベンチ前で仲間たちと喜びを爆発させた。「変化球を狙っていた。うれしかったけど(一塁では)冷静に行こうかなと。(生還後は)もう、喜ぶしかない、と思った」。

勝負強さを見せた清野に対し、斉藤貴教監督(51)は「本当は2、3球目でスクイズだった。でも、初球を行った。アウトだったら俺がぶち切れていた(笑い)」と明かしたが、「勇気を出して振ってくれた」。1点を追う7回裏、無死一塁の犠打失敗を、決勝打で帳消しにしたラッキーボーイは「初球しか考えていなかった。やらかしたけど、うまく打てて良かった」。ペロリと舌を出した。

難しい展開を制した。1-2の7回表に会場が停電。試合は約20分中断した。電光掲示板やベンチ内の扇風機、場内アナウンスは機能を失った。しかし斉藤監督はこの時間を有効活用。「細かいミスがあったので気合を入れた。ズルズルと行かず、よく頑張った」。選手たちは集中力を失わなかった。

試合再開後は点を奪い合うシーソーゲームとなったが、終盤に底力を発揮して突き放した。9回表には電気が復旧。勝利後は会場のスピーカーから無事に校歌が鳴り響いた。清野は「学校では音なしで練習していたのでアカペラでも歌えたけど(音が出て)良かった」と喜んだ。

めったに経験することのないアクシデントを乗り越え、つかんだ勝利。16日の3回戦は上越と対戦する。「いつも通り、平常心で臨んで勝ちたい」と清野。勢いに乗り、16強に進む。【小林忠】

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