<全国高校野球選手権:仙台育英5-0鳥取城北>◇6日◇1回戦

「姉と同じ舞台で活躍する」。太一外野手の姉咲音(さきね)さん(22)は、市西宮(兵庫)で甲子園開会式の各代表校のプラカードなどを持って入場行進を先導する「式典誘導係」を2年間担当。第100回の記念大会の18年夏は歴代優勝校旗のうち、慶応(神奈川)の旗を持ってグラウンドを歩き、19年夏は、立命館宇治(京都)のプラカードを持って選手を先導していた。聖地に立った姉に「ええやろ」とどや顔をされる度に、甲子園に憧れる野球少年だった太一外野手のやる気に火をつけていた。

「姉ちゃん、俺、甲子園に行きたいねん」。聖地から徒歩約20分に位置する西宮市立学文中から、鳥取へ野球留学。今夏鳥取を制すると姉にメダルをかけてあげた。「見ないうちに、デカなったな」と姉はかわいい弟の成長ぶりに、喜びの気持ちは止まらなかった。

「大勢の人の中で、1球ごとに歓声が聞こえる甲子園はすごい。姉にもいい姿を見せられた」と太一外野手。「7番左翼」で出場も初戦敗退となったが、最後まで家族からの愛情を背負って戦い抜いた。

球場を離れる前には、汗をかいた両手を真っ黒にして、甲子園の土を持ち帰った。「両親や友人、応援してくれた人たちに渡していきたい」。高校野球生活には幕を閉じたが、恩返しは続く。【中島麗】

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