<センバツ高校野球:北照5-4自由ケ丘>◇30日◇2回戦

 北照(北海道)のエース又野知弥投手(3年)は、うれし悔しの8強入りだった。右手親指の負傷もあり、5回に1イニング2個目の四球を出し、途中降板。「しょうもないケガをしたけど、バックが打って守ってくれてうれしい。僕自身は悔しいけど(リリーフの)千葉に感謝したい」と振り返った。

 アクシデントは4回だった。四球で出塁し、捕手からのけん制球で、一塁にヘッドスライディングで帰塁した際、右手親指をベースに突いた。その後、アイシング治療をしながら投げ続けたが、5回に制球が乱れて降板。完封した1回戦からの13回1/3連続無失点は継続したが、不完全燃焼だった。

 4回までに5奪三振と快調だったが、患部をテーピングで固定する事態に見舞われた。「影響はあまりなかったけど、制球力が落ちてしまった」と、ケガを理由にしなかった。1回戦で本塁打を放った打撃でも3打数無安打。「千葉を助けようと変な力みがあったのは反省点」と悔しがった。

 試合後は兵庫・尼崎市内の病院で精密検査を受け、骨には異常なしと診断された。河上監督は「軽いねんざ、突き指だと思う。明日は万全の状態で投げてほしい」と話した。登板は31日の状態次第だが、又野は「投げるつもりで行きます。治すというか復帰して思い切りやるだけ」と力を込めた。【村上秀明】