高校最強チームはオレたちだ-。巨人内海哲也投手(33)、亀井善行外野手(33)が5日、「巨人版ドリーム対決」の構想をぶち上げた。この日、大阪府内のグラウンドで内海率いる敦賀気比(福井)、亀井率いる上宮太子(大阪)の両メンバーが2年連続で真剣勝負。敦賀気比が8-7で競り勝った。来年以降、坂本率いる光星学院(現八戸学院光星=青森)など、各校に対戦をオファーするプランが浮上。ガチンコで真の最強チームを決める。

 オレたちの高校が、いやオレたちの世代も最強だった。亀井、内海が野球人にとって、永遠のテーマに真剣勝負でケリをつける夢プランを立てた。ともに同期生を中心にメンバーが集められ、2年連続で亀井率いる上宮太子、内海率いる敦賀気比のガチンコ対決が実現。試合後、8-7の大熱戦を互いにたたえながら、「将来的には、いろんな高校と対戦したいです。もっと、広げていければ」と声をそろえた。

 始まりも、単純な疑問だった。昨オフ、内海と亀井が「オレら世代の最強チームはどこか」と激論する中で試合が決まった。夏の甲子園準優勝の広陵(広島)小林もいれば、筑陽学園(福岡)長野など甲子園に届かなかったチームも存在するが、実現すれば夢のような対決。亀井は「片岡の宇都宮学園(現文星芸大付=栃木)」を挙げ、内海は「勇人の光星学院」と挑戦状をたたきつけ、「1校ずつ、倒していく」と力強く宣言した。

 草野球といえど、グラウンドに立てば、互いの意地がぶつかり合った。当時、エースだった亀井は、投手との二刀流で4安打5打点の大暴れ。守備陣の乱れから、大量点を奪われる場面もみられたが、内海との2度の対戦は変化球を交える本気の投球で抑え込んだ。約束の7回終了後、3-6でビハインドの上宮太子が2イニングの延長戦を懇願。1点差で敦賀気比が競り勝った。

 あふれる笑顔が、ドリーム対決の意義を示した。甲子園を夢見て、汗を流した仲間とのプレー。球児だったその時を思い返しながら、野球の楽しさを再認識した。亀井は「忘れかけた何かを思い出せるし、違った道に進んだ仲間からも刺激をもらえる」と話した。試合後、祝勝会を行った内海はチームメートから「少しでも長く、現役を」とエールを送られた。「自分にとって、大事な仲間。その思いも背負って、頑張る」と誓った。【久保賢吾】