広島岡田には「ポスト黒田」と期待するだけの球の力がある。だが「黒田2世」と呼ぶにはまだ早い。岡田のようなタイプには、大胆さと繊細さが求められるが、まだどちらも足りない。

 特にこの日は大胆さに欠けた。4日巨人戦は1回から5回、この日は1回から4回まで先頭の出塁を許した。気にしすぎているのか、投球を窮屈にしているように見える。まずは自分の投球ができなければ、相手とは戦えるはずがない。

 そして繊細さ。プロであれば、常に「なぜ」と自問しなければいけない。「なぜ先頭の出塁を許すのか」「なぜ制球が乱れるのか」。しっかり考え、マウンドに上がっただろうか。問題が変わろうと、引退するまで頭の中での自問自答は終わらない。

 黒田も昔はそうだった。悲観することはない。ただ未熟であっても、黒田のように「1球の重み」を感じられるようでなければならない。(日刊スポーツ評論家)