阪神は金本知憲監督(50)が今季限りで辞任することを11日、発表した。西宮市内の球団事務所で対応した金本監督は「成績不振です。僕の意思も固かったし。やり残したことは多々ありますけど、結果の世界ですからね」と話した。

前日10日のDeNA戦終了後、揚塩球団社長に辞意を伝えた。「もう少し頑張ってみては」と慰留されたが、固辞したという。

今季は142試合を戦い、61勝79敗2分けで、01年以来17年ぶりの最下位が決まっていた。前日10日は甲子園での今季最終戦。金本監督はDeNA戦に快勝後のセレモニーで「選手たちは本当に開幕から目いっぱい、体を張って頑張ってくれましたけれど、私の力足らずのため、こういう結果に終わってしまい、心より謝罪とおわびを申し上げたいと思います」と話していた。

急転直下の辞任劇だ。今季は苦戦から抜け出せなかったが、今季の最下位が決まった8日には谷本球団副社長兼球団本部長が「(続投方針は)変わりません」と明言していた。就任3年目の今年は新たに3年契約を結び直して1年目。続投方針を固めていた。15日以降には大阪市内の電鉄本社で金本監督が坂井信也オーナー(70=電鉄本社相談役)へのシーズン終了報告に臨む予定。その席上で、同オーナーが正式に続投要請することも決まっていた。来季のコーチ陣編成について、基本的に現有の1、2軍で入れ替えて、全員残留の方針も打ち出していた。

チームは今季、深刻な打撃不振に陥り、甲子園で21勝39敗2分けの借金18で過去ワーストの惨状だった。ファンからの批判が集まったほか、集客も低迷していた。今季の主催試合入場数は289万8976人で、金本阪神3年間で最少の観客動員数だった。若手が育たず、新外国人ロサリオも不振でチームは泥沼。再建の切り札として、監督に招へい。抜本的な改革を託したが、志半ばで頓挫した。まさに迷走だ。阪神が風雲急を告げる決断を下した。