伏兵が新装本拠地で「ラグーン1号」! 公式戦0本塁打のロッテ江村直也捕手(26)が、今季から外野に新設された「ホームランラグーン」に飛び込むオープン戦1号を放ち、存在感をアピールした。

3回1死、中日先発ロメロの6球目、高め148キロ直球を捉えた。昨年までならスタンドに届かなかった打球は、従来より最大4メートルせり出した特別席に吸い込まれた。「届いてビックリです。1軍で打ったのも初めてでうれしい。振り負けないようコンパクトにと思っていました」。この日は観客を入れていなかったため、手元に戻った記念球を手に笑顔を見せた。

通算192試合で本塁打のなかった9年目の1発をベンチはサイレントトリートメントで祝福。本来は冷たく出迎えた後、一転して祝福するものだが、この日のナインは終始無言。それでも「『サイレント・サイレント』でしたけど最高。ありがたいです」と笑顔。井口監督も「まさかの江村でみんなビックリしたけど自信になったと思う。捕手は田村だけじゃないところを見せたね」と笑った。

「シーズンでも打てたらいいけど、調子に乗らずにやっていきたい」と引き締める大阪桐蔭出身の26歳。この日ばかりは後輩ルーキー藤原に替わりマリンの主役となった。【鈴木正章】