ルートインBCリーグは29日、予定していた新潟と巨人3軍の交流戦(ハードオフ新潟)が雨天中止となった。

交流戦は雨天中止の場合、引き分け扱いとなる。この日の先発予定で今秋ドラフト候補の最速153キロ右腕、長谷川凌汰投手(23)は「投げたかったが天候なので仕方がない」と前を向き、早くも次回登板に向けた調整を始動させた。

同カードは30日(13時開始、ハードオフ新潟)も予定され、新潟の予告先発は前川哲投手(23)。

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ドラフトに向けた絶好のアピールの場が雨で流れても、長谷川に動じる様子はない。雨天中止が決まると「30日以降はリリーフの登板があるかもしれない」と球場内のトレーナー室に入り、入念に体をほぐしていた。

昨秋、オリックス2軍を相手に、自己最速となる153キロを記録。直後のドラフトで指名が期待されるも、名前は呼ばれなかった。「プロが求めている自分の商品価値を考えなくては指名はない」。夢の実現に向け、自分自身を見つめ直し、今シーズンのスタートを切った。

「150キロでも真ん中高めでは打たれてしまう。空振りを取るには、コースやキレが大切」。考え抜いた答えの一つは、直球の精度をさらに一段階上げることだった。低めへの意識を高めたほか、体全体での投球ができるよう、可動域を広げるストレッチ運動を繰り返したことで「昨年に比べ投球内容が向上している感覚がある」と言う。

直球に磨きがかかれば、変化球も生きてくる。今春から練習で重点的に投げているフォークを中心に「変化球にもキレがあれば、直球とのコンビネーションで打者を打ち取ることができる」と説明。今以上に、投球に幅を利かせたい考えだ。

中止によりプレーを見せることはできなかったが、この日も横浜DeNAやオリックスなどの球団スカウトが球場に姿を見せ右腕への関心の高さをうかがわせた。長谷川は「ほかの投手が疲れを感じる夏場が勝負。ここで今以上のアピールをしたい」と力を込める。悲願のプロ入りへ向け、ますます調子を上げていくつもりだ。【山岸章利】