<広島2-6ヤクルト>◇3日◇マツダスタジアム

凡退が多くても、守備の粗さが目立っても、小川監督は我慢強く村上を使い続けた。「見事な本塁打だった。彼は本塁打を期待されているバッターで、相手もマークしている中で打てていることは、素晴らしい」と褒めた。

三振は98。失策は12。もちろん、記録に残らないミスもあった。それでも、今季チームで唯一全試合に出場。5月12日巨人戦で初めて4番に入り、バレンティンを欠く中この日で12試合目。指揮官は「4番という意識は持たずに(打席に)入ってほしい」と重圧をかけるのではなく、村上らしい打撃を求めた。

球団として将来の主砲に育てるため「休ませるという思いはない」と経験を積ませる選択をした。1軍投手の球を見て、配球を考え、駆け引きを体感する毎日。「まだまだ(本塁打を)打っていくと思う。失敗も多くしているけど、それも経験」。失敗も成功も、すべてが糧になる。【ヤクルト担当・保坂恭子】