当然の勲章だ。今季のタイトル獲得者らを表彰する「NPB AWARDS 2019 supported by リポビタンD」が26日、都内で開かれ、巨人坂本勇人内野手(30)が、セ・リーグ最優秀選手に初選出された。パ・リーグは西武森友哉捕手(24)が初選出。最優秀新人(新人王)は、パがソフトバンク高橋礼投手(24)セはヤクルト村上宗隆内野手(19)が選ばれた。

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セ・リーグでは遊撃手で初の最優秀選手に選出された巨人坂本勇は、自身初の40本塁打をかみしめながら、主将らしく若手へのメッセージに変えた。「自分でも40本打てるなんて、全く想像してなかった。常に何かを求めてやっていれば、自分でも不可能と思ったことが可能になった。僕もずっとそういう気持ちでやりたいですし、若い選手にもそういう気持ちでプレーしてほしい」と思いを込めた。

記憶にも、記録にも残るシーズンだった。リーグ新記録の開幕戦から36試合連続出塁を達成。5月1日の中日戦では、プロ野球の令和初本塁打を球史に刻んだ。球団生え抜きの右打者では、68年長嶋茂雄(現終身名誉監督)の39本を更新する40発。打率3割1分2厘、94打点と打撃3部門で5位以内にランクイン。強打の2番打者として、主将就任後初、チーム5年ぶりのリーグ優勝に導いた。

初の30本超えだった10年、本塁打への意識を「安打の延長が本塁打という意識はないです。狙う、というのも違いますけど、本塁打も意識した強いスイングをしないと」と言った。転機は3年前。「もう1ランク高い打者に」とスイングの軌道と意識を改革。3割4分4厘で首位打者を獲得し、今季は強く振る確率を上げるための読み、技術も向上し「反応で」アーチを打つ新感覚が芽生えた。

来季は新たな偉業に挑む。現在、1884安打で2000安打まで残り116本。12月に31歳を迎えるが、榎本喜八が記録した31歳7カ月という史上最年少記録の更新が期待される。「1つの目標でもありますけど、正直そんなに甘く達成できることじゃないと思ってます。1本1本積み重ねてきた結果なので、いい準備をして、いいパフォーマンスが出せるように」と言った。新たな勲章とともに、表彰式で繰り返した日本一奪回を目指す。【久保賢吾】