来季2年契約の最終年を迎える日本ハム西川遥輝外野手(27)が27日、早ければ来オフにも、ポスティングシステムを利用した米大リーグ移籍に挑戦する意向を示した。

札幌市の球団事務所で契約更改交渉後、記者会見。米球界入りを意識した要因として、同システムで海を渡った後輩OB大谷翔平投手(エンゼルス)の存在を挙げた。球団側は来季の成績やチーム状況などを踏まえ、容認するか否か判断する。

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サプライズ発表だった。来季から担う新主将としての抱負を語った直後、西川は何かを言い残したかのように語り出した。

西川 3年くらい前だったかな。吉村GM(ゼネラルマネジャー)に『自分の夢を追いかけてます』という話をして…。自分のわがままですけど、アメリカの方の話をさせてもらった。

初めて明かした、米球界挑戦の夢。順調なら来季中に国内フリーエージェント(FA)権を初取得する予定だが「海外FAまで待つとなると長い。早ければ早いほどいい。僕の成績次第」と、チームではダルビッシュ、大谷に次いで3人目となるポスティングシステムによる移籍をもくろむ。

夢の始まりは、日本一になった16年オフだった。138試合に出場し、自身初の打率3割台、41盗塁で優勝に貢献。さらに「翔平の存在ですかね」と、17年オフに同システムでエンゼルス入りした後輩が引き金となった。「それまで、近い存在でもっと上のレベルを目指して頑張っている人がいなかった」。16年から4年連続で行っていた米アリゾナでの春季キャンプも、少なからず影響した。「あの環境でやってみたい」。今季はシーズン中に、米球界挑戦がささやかれていた西武秋山、DeNA筒香から情報を集め、さらに夢を大きくした。

2年契約最終年となる来季へ向け、推定年俸2億円で更改した。新主将としては、球団側に助っ人大砲の獲得を「ガッツリお願いしました」と頼もしい。前主将の先輩、中田にも「僕の言うことをきかなかったら、罰走ですよ」と、さらりと“関白宣言”した。

過去3度盗塁王に輝くなど、俊足巧打と広い守備範囲が武器。盗塁成功率は通算8割6分6厘を誇る“失敗しない男”は「チームの優勝」「五輪出場」「キャリアハイ」と3つの目標を掲げ、夢の実現を目指す。【中島宙恵】