「時の人 ぺこぱに力 もらったよ」。ロッテ山口航輝外野手(20)が、本拠地ZOZOマリンのお立ち台で俳句を披露した。同点の8回に決勝の3号ソロを放ち、チームを5連勝(2分け挟む)に導いた。13歳の時に伊藤園主催の「おーいお茶 新俳句大賞」で佳作特別賞を受賞。この日は、始球式を務めたお笑いコンビ「ぺこぱ」と絡めた一句を堂々と詠み、スタンドから大きな拍手を浴びた。

   ◇   ◇   ◇

本拠地ZOZOマリンのお立ち台で、山口が「独演会」を開演した。決勝の3号ソロでチームを5連勝に導き、待ちに待った“初舞台”。インタビュアーの「俳句で初のヒーローインタビューを締めていただきます」が合図だった。

力んだのか「『時の人 ぺこぱに』、あっ、すみません」と言葉をかんだが、インタビュアーから助け舟。「こういう時、何て言うんでしたっけ? ぺこぱさんでしたら」と言われ、ぺこぱの持ちネタの「時を戻そう」で仕切り直した。

「時の人 ぺこぱに力 もらったよ」

この日、始球式を務めたのはお笑いコンビ「ぺこぱ」だった。山口は打席に立ち、松陰寺太勇のボールをハーフスイング。球審のシュウペイは「ボール」と判定し、「時を戻そう」とリプレー検証した。爆笑を誘った「ぺこぱ」と絡め、ユーモアを交えた一句を詠んだ。

強心臓ぶりを打席でも発揮した。同点の8回。セットアッパー宮西の直球をフルスイング。大きなフォロースルーとともに、打球は右翼席で弾んだ。プロ初本塁打は西武高橋、2本目は楽天岸。3本目は球界を代表するリリーフ左腕からで、「大物キラー」を体現した。

13歳の時に伊藤園主催の「おーいお茶 新俳句大賞」で佳作特別賞を受賞した。初本塁打ではチームが逆転で敗れ、13日の楽天戦(楽天生命パーク)で放った2号では「ビジターなので。ホームだけで」と俳句を封印。「三度目の正直」で披露し、ファンを歓喜させた。【久保賢吾】

◆山口航輝(やまぐち・こうき)2000年(平12)8月18日、大阪市生まれ。明桜では2年夏の甲子園出場。3年夏の秋田県大会ではライバルの吉田輝星(現日本ハム)を擁する金足農との決勝に敗れた。18年ドラフト4位でロッテ入団。昨年は2軍で全70試合に出場し、チーム最多の7本塁打、30打点。今季推定年俸560万円。183センチ、97キロ。右投げ右打ち。

▽ロッテ井口監督(山口の決勝ソロに) こういう時の1発は、チームにとって大きい。彼の持ち味はどの方向でもホームランが入るところ。

ロッテニュース一覧はこちら―>