思い切り振ったバットは、空を切った。桜美林大は2点を追う9回先頭、代打で松江京主将（4年＝二松学舎大付）が空振り三振に倒れた。「相手はホームランを打っているのに自分は三振。（先発の）多間は頑張っていた。キャプテンの力で差がついてしまった」と決勝2ランを放った上武大の主将・山脇と自身を比べ、責任を背負い込んだ。

控え捕手の主将としてチームを引っ張ってきた。出番を待つ間、「楽しんでやろう」とベンチで仲間を鼓舞し続けた。「自分たちが負ける時は『勝たなきゃ』と追い詰められる時なので」と、ムード作りに励んだ。初回に2ランで先制。再三のピンチもしのぎ、5回まではリードを保ったが、終盤にひっくり返された。「打撃、ここぞでの粘り、全てが足りなかった」と力の差を口にした。

教育実習があったため、リーグ戦の優勝決定戦には出場できなかった。それでも、チームメートが松江の道具をつけてプレー。信頼関係の証しだった。松江は「自分は無力。みんなが、この舞台に連れてきてくれました。この舞台で勝たせるのが、私の役目でした。秋もう1回、絶対にみんなを神宮に連れて行く。そういう気持ちを何倍も感じています」と決意表明。大学創立100周年で初出場した。次は、秋の神宮大会での躍進を狙う。