関学大(関西学生)が土壇場の逆転勝ちで1964年以来、57年ぶりの8強に進出した。3点を追う8回1死一塁で、石井雄也内野手(2年=大阪桐蔭)が速球をとらえて左翼に2ランを放ち1点差に詰め寄った。さらに相手の押し出し四球、暴投と大谷優斗内野手(4年=大社)の左前適時打で加点。一挙5点を奪い、大逆転に成功した。今秋ドラフト上位候補でエースの黒原拓未投手(4年=智弁和歌山)を温存して10日の準々決勝に進んだ。

試合後、石井は「チームは劣勢だった。何とか流れを変える一打を打たないとと思っていました。しっかりした打球を打とうと」と話した。本荘雅章監督(50)は「苦しい戦い。ベンチが何をしても流れを変えられないような状況。石井が一発やってくれた。(ベンチ内で)『まだまだやれる』と口では言っていたが、なかなか不安もあったと思う。一気に行きました」と声を上ずらせた。

関学大は52、59年大会で準優勝した実績を誇る伝統校だ。指揮官は「昨日はなかなかちぐはぐなことがあった。今日はミスはありましたけど、昨日よりはウチらしい戦いができた」と手応えを口にした。主将の杉園大樹外野手(4年=明豊)は8回の猛攻を「お祭り騒ぎでした」と明かし「チームカラー、チーム力で戦ってきている。つながりのある野球が自分たちの野球。よかったと思います」と振り返った。またも、全国に勇名をとどろかせた。

◆関西学院大(28年ぶり6回目) 兵庫県西宮市。1889年(明22)創立。野球部は関西学生野球連盟所属。主なOBは日本ハム宮西尚生投手、阪神近本光司外野手、歌手大江千里、フジテレビ永島優美アナウンサー。