初出場の国学院大(東都)が逆転勝ちで初戦を突破し、8強入りを決めた。リーグ戦から、公式戦9連勝とした。

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勝利への執念を込めた打球が、左中間スタンドまで届いた。国学院大の山本ダンテ武蔵は0-2の6回2死、高め直球をとらえてソロ本塁打を放ち、ガッツポーズ。憧れの東京ドームでの1発だったが「なんとかチームを変える一打を打ちたいと思っていた。よし、これで勢いをつけられたというのが、一番うれしかった」と振り返った。

2安打に抑えられ、嫌な流れの5回終了後、ベンチ裏に全員が集まった。「勝ちゲームのような雰囲気をつくれ」。鳥山泰孝監督(46)の言葉に、4年生が応えた。1点差の7回に3点を奪い、逆転で公式戦9連勝。決勝打を放った川村啓真外野手(4年=日本文理)は「リーグ戦の時から、ダンテが打つとすごい盛りあがる。いつもいつも助けられている、そのひと言です」と感謝した。

東都で本塁打、打点の2冠を獲得した山本ダは「暗いのは好きじゃない。明るく、楽しくやっていきたい」という性格。ベンチで川岸学生コーチ、高山主務らと並んで声を出し続けた。「普段から自分の持てる力すべてかけてやっている。全国でも、気持ちの変わりようはなかったです」。いつも通りの姿勢で8強入りを果たした。【保坂恭子】

◆山本ダンテ武蔵◆ やまもと・だんて・むさし。2000年(平12)3月16日、広島県江田島市出身。父はアメリカ人、母は日本人。名前の由来は、父が大相撲・武蔵丸のファンだったため。広島瀬戸内シニアから大阪桐蔭。3年のセンバツ優勝。今春東都のMVP、ベストナインに。右投げ右打ち。174センチ、83キロ