日本ハムは楽天13回戦(楽天生命パーク)で痛恨の引き分けに終わった。序盤に5点リードをもらった先発ドリュー・バーヘイゲン投手(30)が5回途中で追いつかれてKOされる背信投球。今季3度目の先発全員安打をマークした打線も、5回からは相手中継ぎ陣の前に追加点を奪えず、勝てる試合をものにできなかった。

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まさかの展開だった。バーヘイゲンの顔は、みるみる紅潮していった。5回、先頭打者への四球から2点を返され、なお2死一、二塁。今季2勝目の権利まで、あと1死のところで4番島内に右翼線への同点適時二塁打を浴びた。「ランナーを出した場面で粘ることができず失点してしまい、悔しく思います」と振り返ったが、最大5点のリードを守りきれなかった右腕について栗山監督は厳しい口調で言った。

栗山監督 もう、あそこは頑張んないといけないところだろ。5回だからな。普通だったら7回、8回をフーッといかなきゃいけないピッチャーだから。

普通に投げてくれれば、勝てた試合も終わってみれば今季8度目の引き分け。昨季8勝を挙げたような安定感が見られないバーヘイゲンの今後は「もう1回、よく考えるよ。内容的に」と、再調整させることも示唆した。

打線も試合前半に見せた迫力が、後半に消えてしまった。先発釜田を攻略後は、楽天のリリーフ陣の前にわずか3安打で無得点。指揮官も「投手が変わって完全に止まっちゃいけない」と苦言。日本ハムもリリーフ陣が踏ん張りを見せたのが明るい材料だが、全体的には重苦しい雰囲気は取り払えなかった。

試合がなかった28日に日本ハム以外の5チームが勝率5割以上となり、3位に3チームが並んだことで“単独Bクラス”となった。試合前に栗山監督も「なかなかないよな。本当に、ごめんなさい」と、巻き返しへ気合を入れ直したが、状況はこの日も変わらず。突き抜けるチームが出てくるまでに、仕切り直したい。【木下大輔】