サンフレッチェさんごめんなさい…。

広島が特別仕様の試合で、阪神に完敗を喫した。J1広島との共同企画で、互いのチームカラーを使用した赤紫色の記念ユニホームを着用して臨んだゲーム。だが投打ともに振るわず、チームはDeNA、日本ハムと並び、両リーグ最速の40敗に到達。今季8度目のゼロ封負けとなり、前半戦で早くも7度だった昨季を越えてしまった。

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観客席の一部を赤紫色に染めたマツダスタジアムが、ため息に包まれた。阪神の伊藤将、斎藤、及川の若虎投手リレーに翻弄(ほんろう)され、1度も本塁を陥れずことができず、今季8度目のゼロ封負け。早くも昨季の7度を越えた。佐々岡真司監督(53)は「こういう企画で広島の街を(盛り上げる)というところで、なかなかいい戦いができず申し訳ない」と肩を落とした。

特別仕様の試合だった。球団初の試みとして、スポーツを通じて広島を盛り上げる目的で、J1のサンフレッチェ広島と互いのチームカラーを使用した共同記念ユニホームを制作。カープはJ1広島の紫色に赤色を混ぜ合わせた赤紫色を基調とした帽子とユニホームを着用し、試合に臨んだ。この日限りの催しだったが、勝利という形で花を添えることができなかった。

絶好の得点機を逃した。1点を追う5回、無死一、三塁のチャンス。打席の野間が投手真横を抜ける二遊間へのゴロを放つと、捕球した遊撃の中野が二塁を踏み、一塁走者をアウトに。ライナー性の打球で判断が遅れた三塁走者の坂倉が本塁に突入するも、中野が本塁へすかさず送球し、タッチアウトに終わった。

河田ヘッドコーチは坂倉の走塁について「一、三塁で、内野手があそこ(定位置より)で守っているから、絶対にゴロGO」と説明。「あの体勢から振り返って本塁へ投げた相手の野手を褒めるべきなのか、もうちょっと何とかなったんじゃないかというのもある。走塁も見直さないといけない」と険しい表情だった。

投手では中継ぎ陣が踏ん張れなかった。1点ビハインドで7回に登板したコルニエルが、1死からマルテに左越えソロを被弾。8回はバードが長短打5本を浴びるなど、3失点。勝ちパターンの2人が役割を果たせなかった。佐々岡監督は「コルニエル、バード、フランスアで終盤をということを考えていますけど、バードは修正をしなくてはいけない」と指摘した。

最下位に甘んじるチームは、DeNA、日本ハムと並び両リーグ最速の40敗に到達。指揮官は「明日また切り替えてやるしかない」と懸命に前を向いた。雨にさらされた赤紫色の限定ユニホームは、むなしく見納めとなった。【古財稜明】

▽広島大道(5回1失点で2敗目)「ピンチを4回連続で招けば、結果1失点でも攻撃のリズムは生まれない。毎試合悪い時でも粘れるように、準備をしていきたい」