今秋ドラフト候補の最速152キロ左腕、創価大・鈴木勇斗投手(4年=鹿屋中央)が、初戦で1失点完投勝利を挙げた。

雨が降り続き足元が悪い中だったが、NPB10球団21人のスカウトの前で被安打4の1失点、11奪三振を挙げた。

雨天のため試合が2日間順延し「こういう天気だったけど、試合ができたことに感謝です。(試合が)2日間ずれて調整は難しかったけど、今日に合わせることができた」と話した。

高校時代は制球が課題だったが、無四死球で完投。「記憶にないです。人生初かもしれません」と喜んだ。

スカウトのガンで、この日は最速148キロをマーク。キレのあるスライダーを軸に、中盤以降はカーブを織り交ぜ緩急をつけた投球を見せた。「変化球にキレがあったので、打者の反応を見ながら。(コースに)投げ分けることができました」と振り返った。

春季リーグは、新型コロナウイルスの陽性者14人が判明したため、第4週目以降は出場を辞退。5月の1カ月間は活動自粛となり、6月から再開した。フィジカルトレーニングなどで自分の体と向き合い、体重も2キロ増の83キロになった。

近日中にプロ志望届を提出する予定で、ドラフト会議に向け「いいアピールはできたかなと思う。まずはチームが勝つことを意識して、監督に初優勝を贈りたい」と話した。リーグ戦の辞退を経験したことで「秋にかける思いは強いです」と意気込んでいた。

今年から指揮をとる堀内尊法監督は「この1勝は大きい。(選手へ)春の悔しさを忘れずにやろうと話した。感謝と、喜びを持ってやりたい」と話した。【保坂恭子】

◆鈴木のスカウト評

▽西武・潮崎編成グループディレクター「春よりも球速が上がっていて、ウワサ通りの投手という印象。(身長174センチだが)マウンドに上がると、そんなに小さく見えない。コントロールもよく、魅力のある選手」

▽楽天・後関スカウト部部長「コントロールが安定していた。要所要所で、いいコースに投げていた。安定感がある。現場は使いやすい投手のタイプ。戦力になる可能性は十分ある」