ソフトバンクはわずかにCS進出の可能性を残す中、痛恨の1敗を喫した。同点の9回に守護神の森がロッテ岡に2ランを浴び、2試合ぶり、今季3度目のサヨナラ負け。工藤監督は「森で打たれたらしょうがないでしょう」と淡々と受け止めた。3位楽天が敗れて、ソフトバンクの最短でのCS完全消滅は17日まで延びたが、極めて厳しい状況は変わらない。

5年連続日本一の可能性が消えかかる中、「個人タイトル獲得者なし」の危機にも直面している。投手タイトルでは理論上、可能性を残すのは最多奪三振のみ。トップのオリックス山本にマルティネスが60個の差をつけられており、現実的には逆転はできそうにない。

野手は柳田が本塁打でオリックス杉本に5本差。打率は3割0分5厘で、首位打者に立つには27打数27安打が必要になる。残り6試合では極めて厳しい数字が並び、球団では02年以来19年ぶりに個人タイトルなしという事態になりそうだ。

今季限りで退任する意向を固めている工藤監督は残り試合に向けて「勝負ごとは最後にげたを履くまでわからない」と、目の前に全力を尽くす姿勢を改めて示した。【山本大地】