ロッテは17日、松永昂大投手(33)と育成選手契約を結んだ。背番号は28から「138」に変更される。

12年ドラフト1位左腕は入団から7年連続で40試合以上に登板し、ブルペンを支えてきた。疲労蓄積もあり、20年は5試合のみの登板。今季は肩痛で1、2軍とも公式戦登板なしに終わり、シーズン終了後に戦力外通告を受け、育成契約を打診されていた。

今春の石垣島キャンプでは初日からブルペン投球を行った。「1クール目くらいですかね、良かったのは。その後は自分の体なので、自分で(肩の状態を)分かっていて」。ケアしながら投げたものの、静岡でのオープン戦が今シーズン最後の登板になった。

しばらく投げられなかった。「もう全然だったので。ふとした動きが全部ダメでした。ふとしてなくても、例えばこのあたりに何かがあって、取ろうとすると(普通は)肩が伸びるんですけど、それもダメで」。物を抱える動作さえも苦しかったという。

勤続疲労か、数年前から肩の微妙なずれを感じていたという。「そう思いながら投げていて、筋肉がずれたところで固まって。今年はそれを正常の位置に戻す作業を9カ月くらいした感じですね」と長いリハビリを振り返った。

11月にはブルペンでも投げ始めた中で、プロ10年目のシーズンは育成契約からの再出発になる。「全然落ち込まないタイプなので」とひょうひょうと話す。貴重なリリーフ左腕としてキャリアを積んできた自負もある。「投げられるか投げられないか、なので。普通に投げれたら、そこそこ抑えられると思いますし、投げられなかったら、そのままなので」。

早期の支配下復帰へ準備を重ねる。松永不在のこの2年間、優勝争いを続けた1軍には確固たるリリーフ左腕がいなかった。まずはキャンプに照準を合わせる。「(この時期に)もう投げている分、みんなよりいい可能性はあるかもしれないですね。まだ分かんないですけどね」。復活が待たれる。【金子真仁】