今年も主役はこの男! 阪神2年目の佐藤輝明内野手(22)が5日、22年初実戦の第1打席で1号ソロを放った。

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沖縄・宜野座キャンプで12球団のトップを切って紅白戦が行われ、紅組の「4番右翼」で出場。2回に藤浪の直球を左翼ポール際に運んだ。5回は左中間へ二塁打を放ち、3打数2安打1打点。先輩右腕に1年前のリベンジを果たし、4番を争う大山には先制パンチをお見舞いした。

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宜野座に響いた快音に、詰めかけた約450人のファン、ベンチのナインがどよめいた。佐藤輝と藤浪、力と力の勝負。剛球を南国の風に乗せると、放物線を左翼ポール際の芝生まで伸ばした。拍手喝采の中、心地よさそうにベースランニング。ベンチ前では両手で「ダブルZポーズ」を繰り出し「しっかり振ることだけは考えていました。今日はいい感じで振れた」と納得顔だ。

1年ぶりにリベンジした。昨年2月7日の紅白戦では藤浪の直球にかすりもせず空振り三振。この日はフルカウントから4球ファウルで粘った。「早く前に飛んでくれと思っていました」と笑わせたが、最後は1年前に打ち取られた同じ外角高め直球を仕留めた。「成長したんですかね、良かったです」とほほえんだ。

第3打席も小野から左中間へ二塁打を放ち、3打数2安打1打点。いずれも逆方向への長打に「自分のスイングをすればあそこに飛ぶと思う」とうなずく。「浜風も甲子園はありますし、もっとそういう打球が増えてくればいいかな」。3打席で全10スイングし空振りはゼロ。確実性アップと昨季24本塁打のうち5本にとどまった左方向へのアーチ量産となれば、怖いものはない。

大山との4番争いを期待する矢野監督は「良いスタートを切れた。迷いがなくなるんじゃないかな」と今後にも期待した。2年目は本塁打をどこまで伸ばすのかと問われた背番号8は「ホームラン100本です!」とにっこり。8日には今季初対外試合となる日本ハム戦(宜野座)が控えており「対外試合も入ってきますし、しっかり自分のスイングを心がけてやっていきたい」と新庄監督の前でもアーチを狙う。「2・5」の衝撃発進で楽しみが膨らんだ。【中野椋】

▽阪神井上ヘッドコーチ(佐藤輝について) ホームランというより、空振りしていただろなと思っていたところをファウル、ファウルで粘っていた打席があった。あのへんがちょっと変わってきたんじゃないのと(思う)。手応えとしてあいつに感じてほしい。

▽中日金子スコアラー(佐藤輝の打撃に) 去年、藤浪と対戦して(ストライク)3球、高めで(空振り三振に)終わったと思います。同じやられ方をしない印象。他球団は去年の配球を分析するが、同じ配球で打ち取れないと感じました。