阪神佐藤輝明内野手(22)が、オープン戦初の猛打賞で10得点大勝に貢献し、開幕4番に大前進だ。広島戦(甲子園)に4試合連続4番で出場。先発床田、ルーキー森、森浦の左腕を全く苦にせず、3本の快音を奏でた。オープン戦6試合の打率は両リーグ3位の3割8分1厘と絶好調。ライバルの大山を突き放している。そろそろ欲しいのは代名詞のオープン戦初本塁打。大きなリードを保ち、4番バトルの最終章に臨む。

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佐藤輝が鯉の左腕を次々と粉砕した。2回先頭では追い込まれてから床田の外角144キロ直球に逆らわず左前へ華麗にはじき返し、左翼手がファンブルした間に悠々と二塁へ。6回無死一塁では、大学時代に対戦経験のあるルーキー森の初球、内角直球を引っ張り右前へ。打者一巡して回ってきた2打席目、1死一、二塁の好機では森浦の内角直球を捉え、右前適時打で猛打賞。代走を送られると、開幕2カード目で対戦する広島相手に10得点大勝を導いた背番号8に、大きな拍手が送られた。

「結果自体はよかったですけど、もうちょっと打球を上げて打ちたい。左ピッチャーとは久しぶりな感じだったので、もうちょっとアジャストしていければ」

左腕を苦にしない。むしろ得意だ。オープン戦は対右腕の打率3割3分3厘に対し、左はジャスト5割。昨季も対右腕の2割3分2厘に対し、左腕は2割4分7厘と上回った。「(左は)苦手意識は全然ない。右投手と違う感覚があるので、使い分けじゃないですけど…、感覚ですね。もう少し今後の試合で磨きたい」。まさに、敵なし状態だ。

大山と争う4番バトルも大きくリードの様相だ。オープン戦打率1割3分6厘のライバルとは対照的に、4試合連続任された4番で安定感が光る。オープン戦の打率3割8分1厘はロッテ高部、オリックス杉本に次ぐ両リーグ3位。昨季までの三振か本塁打のイメージから一変、確実性が際立つ。「練習のたまものなんじゃないですか。いい感じでは間違いなくきていると思う。あとはもう少し長打を打てるようにというところですね」。

そう、規格外のスラッガーは単打3本だけでは物足りない。昨年6本塁打でキングに輝いたオープン戦6試合で、今年はまだ0本塁打なのだ。「短打じゃなくて、長打がほしいところだった。打ち出すところとか、良いスイングの中でもう少し上げていこうかな」と修正ポイントを挙げた。開幕までの残り9試合で豪快な1発を放ち、文句なしの4番を決める。確実性に1発を完備すれば、最強4番の誕生だ。【古財稜明】

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