日本ハム柿木蓮投手(21)が、18年に大阪桐蔭で甲子園春夏連覇した同期のロッテ藤原恭大外野手(22)と1軍で初対戦し、遊邪飛に仕留めた。9回に4番手で登板。藤原を含め1イニングを無安打無失点に抑えた。チームは12球団最速で40敗に達し、今季5度目の同一カード3連敗を喫したが、若手同士の真っ向勝負にスタンドは沸いた。

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ひそかに温めていた夢をかなえた。9回1死。無表情の柿木が、藤原と相対した。「少しは思い入れがある。初球から勝負球のつもりで投げた」と、真っ向勝負を挑んだ。旧知の仲も「全部を打てる打者なので、どこが苦手とか全然知らなかった」と苦笑い。初球147キロ直球を「予想通り」に振ってきた。外角高めで芯を外し、遊邪飛に仕留めると、マウンドで両手をたたいた。

1軍公式戦では初対戦だった。大阪桐蔭では18年に春夏連覇。プロ入り後、2軍での対戦経験はあったが、藤原は1軍を主戦場として戦うことが増えていった。「僕だけ上(1軍)に行けていなかったので、藤原とかと差がついて、すごく悔しかった」。中日根尾もセ・リーグで奮起する中、柿木は3年間1軍未出場。今季、悲願をかなえた。

「僕はずっと、対戦を目標の1つとしていた。今日は対戦できて良かった」と目尻を下げた。藤原を抑え、続く代打マーティンからはプロ初奪三振。危なげなく1回無安打無失点で締めた。「これ(藤原との対決)を、もっともっと積み重ねていけるようにやっていきたい」と力にした。

チームは今季5度目の同一カード3連敗。12球団最速で40敗に到達と、負の連鎖は止まらない。4年目で頭角を現した柿木を含めた新戦力が、最下位からの巻き返しには欠かせない。【田中彩友美】

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