元専属トレーナーで現在はスポーツトレーナーを務める保田貴史さんが、西武内海哲也投手(40)の引退試合に家族で観戦に訪れ、涙を流しながら、感謝の思いを語った。

「今、この瞬間をと思ったんですが、いろんなことを思い出して…。ちゃんとは見られなかったです。やっぱり、寂しい気持ちが強いですね」

楽天山崎剛との対戦は、5球直球を投じた末に二ゴロだった。スタンドから大きな拍手が送られる中、保田さんには過去の投球がよみがえった。

「ピンチの時によく内野ゴロで抑えてたなぁと。何度も何度も見た光景だなと思って、涙が止まらなかったです」

出会いは、ともに中学時代に所属した京都田辺ボーイズだった。高校からは別々の道に進んだが、07年のオフに専属トレーナーを頼まれ、18年シーズンまで務めた。「少しでも長く現役生活をやられるように」が合言葉だった。

「プロの世界で19年間プレーしたことを尊敬しますし、微力でしたけど、携われたことを幸せに思います。テツには感謝の思いしかないです」

バックネット裏の席から、内海の投球、セレモニーを目に焼き付けるつもりだったが、涙でぼやけた。セレモニーが終了し、心の中で繰り返した。「テツ、ありがとう」。【久保賢吾】

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