ドラフト会議が20日に都内で開催され、阪神は1位で高松商・浅野翔吾外野手(3年)を指名したが巨人と重複し、史上初のTG一騎打ちとなった。

阪神は岡田彰布監督(64)が初めて“黄金の右”で挑んだが、先に引いた原辰徳監督(64)に当たりを引かれた。外れ1位で右の長距離砲、中大・森下翔太外野手(4年=東海大相模)を指名。来春のキャンプ1軍を明言するなど大きな期待を寄せた。

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熟考して1位に決めた浅野の当たりくじは、残っていなかった。岡田監督は当日の星占いが良かったらくじ役をすると決めており、初めて右手を“解禁”したが、「周りから聞くと(星占いなどは)良かったみたいですけどね。ダメだったですね」と残念無念。1位の1回目入札で5戦全敗だった左手から右手に変えたが、効果なく6戦全敗となった。それでも外れ1位で中大・森下を指名すると、満面の笑みを浮かべた。

「どっちが先に使えるかと言うたら、森下かも分からんしな。絶対戦力になるわな。残っていたからよかったよ」。右の長距離砲の外野手で、補強ポイントに合致する即戦力を指名できて満足げ。「みんな先に9球団も1位を言ってくれたから、やりやすかった」。異例の9球団公表ドラフトもプラスにとらえた。

森下の魅力を熱く語った。「やっぱ、パワーあるし。まあ(現有が)左ばかりやから、右で打てそうな選手がほしかった。昨日(19日)も本塁打を打ったり」。東都リーグ日大戦で左翼席ソロを放ったシーンもチェック済み。大山が一塁、佐藤輝を三塁で固定すると、外野は中堅近本以外は未確定。島田や現在探している右打ちの外国人選手との争う構図だ。「当然1軍キャンプからね、みんなと。空いてるポジションがあるんで、外野に関しては。そのへんは十分チャンスがあると思う」。早速春季キャンプ1軍発進を明言した。

2位には大型左腕の東海大札幌・門別を指名。「よく残っとったわな。外れ(1位)もあるかなくらいの評価やったけどな」とニヤリだ。5位までに高校生が4人で、関東第一・井坪、天理・戸井と右の野手も指名。球団の育成路線に則ったドラフトとなった。「最初に浅野外したけどな。(くじが)残り物やからしょうがないわ。80点くらいいけると思うけどな、評価的には」。満足の新戦力補強になった。【石橋隆雄】

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