西武平良海馬投手(23)は保留した。

2日、埼玉・所沢市内の球団事務所で契約更改交渉に臨んだが、サインはしなかった。

7000万アップの年俸1億7000万の提示は「オッケー」と納得。譲れなかったのは、来季の起用法に関して。もともと19年オフから先発転向を訴えており、来季こそ念願の先発挑戦を求めたが、認められなかった。毅然(きぜん)たる表情で語った。

「2020年(シーズン)から先発をしたいと。さすがに4年目は中継ぎではやれないぞ。チームスポーツですけど、個人の成績で生活もある。さすがに4年目。僕がやりたい先発をやらせられないのは、個人的にはありえない。(先発への思いが)3年募って今、大爆発。挑戦すらできないのはちょっと違うかなと思う。納得できない」

球団側からは来季1年はリリーフ、2年後の先発転向を提案された。しかし、来季から転向という平良の意思は揺らがなかった。

なぜ先発にこだわるのか。その理由を語った。

「先発でチームを変えるようなピッチングをしたい。チームの優勝に貢献と考えたら、中継ぎで60イニング投げるより、先発で倍のイニングを投げた方がチームの貢献度も絶対に高いと思う。中継ぎをしていると、イニング数を投げられないし、ゲームを左右することができない。先発の方がゲームを左右できる。先発で活躍したほうがチームを変えられる思いもあります。挑戦して可能性を広げていきたい」。

プロ入り後、20年2月27日の練習試合ソフトバンク戦では先発を経験したこともある。その時は3回6安打5失点。平良は「3年前とは投球内容も変わっている」と話した。あの時とは違う投球、適性を示すことができる自信がある。 今季は61試合の救援登板で1勝3敗、防御率1・56。圧倒的な投球で頼もしい投球を続ける。替えの効かない存在だけに、球団側も頭を悩ませる。

渡辺GMは「平良の言いたいこと、気持ちは分かる」と心情を理解した上で、続けた。「チームの編成上、後ろの強力な投手がいるのといないのでは違う。やっぱり彼はスペシャル選手なので、簡単に先発転向とはいかない。チームで戦っている以上、現場の考えもある。また現場とも話をして着地点を見つける」。

4日に再交渉を行う。(金額は推定)

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