ヒーローインタビューに呼ばれる名前は、さすがに「おざわ」ではなく「こざわ」だった。ヤクルト小沢怜史投手(26)が、開幕から約4カ月目で今季1勝目を挙げた。同点に追いついた直後の7回から4番手で登板。3者凡退に打ち取ると、その裏に打線が勝ち越し。2イニングを無安打無失点で、19試合目にしてようやく白星が舞い込んだ。開幕ローテ入りも、先発で7試合連続勝ち星なし。交流戦中からリリーフに配置転換され、この日を迎えた。「そんなに辛くはなかったですけど、長かったなと思います」と言った。
それ以上に、幼少期から辛い日々を過ごしてきたから。「諦めていますもん。昔から大体『おざわ』って呼ばれますから。訂正することに疲れました」。あえての“イジり”ではないから、アンジャッシュ児嶋みたく「こざわだよ!」と突っ込むエネルギーは月日とともに消失した。「病院でも必ず『おざわさ~ん』って。もう紛らわしいので、お店とかに予約する時は自分で『おざわです』って言っています」。ヤクルトファンには周知されていても、世間にはまだ届いていなかった。
2月のキャンプ中に聞いた「名字変えるなら」の問いに「おざわが良かった」と真顔で答えるほど。先発、ワンポイント、ロングリリーフもこなす右腕。「僕は1軍で投げられるんだったら、どこでもいいかなと思っているので。調整面での難しさはあるけど、結果も出していなかったのでそこはしょうがないかな」。役回りは何でもいい。「こざわ」という名前を覚えてもらえるなら。【栗田尚樹】
▽ヤクルト高津監督(小沢について)「もう欠かせない存在になったのかなっていうふうに思います。リリーフになってから球も強くなりましたし。誰もがこの役割をできるわけではないと思う」



