阪神は13日、秋山拓巳投手(33)が今季限りで現役を引退することを発表した。

近く、会見を開く。球界屈指の制球力を武器に、3度の2桁勝利を挙げ、先発の主力として通算49勝をマーク。“伊予ゴジラ”の異名も取った力強い打撃でも魅了した。ただ18年に半月板を除去した右膝の状態が思わしくなく、今年は1軍登板なし。惜しまれながら、タテジマ一筋15年間の現役生活に別れを告げる。

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秋山といえば、左打席から繰り出す強烈なスイングを思い出す人も多いだろう。48本塁打をマークした高校時代から定評があり、打者で評価した球団もあったほど。17年8月、当時のナゴヤドームの右翼中段に放り込んだ特大プロ1号。18年5月、巨人山口俊から逆方向に運んだ本塁打は語り草だ。他球団の先輩からも「最近調子はどう? いや、こっちの」とバットを振るジェスチャーをされた。

打者・秋山の可能性はあったのか。本人の答えは明確に「NO」だ。プロ入り後は「打者転向のことは1度も考えたことはないですよ」ときっぱり。球団からの打診はもちろん、ウワサ話すら聞いたことがないという。投手が好きなこと。そして反骨心だろう。ドラフト時、注目選手でありながら4位という順位に悔し涙を流した。その時に決めていた。見返してやる-。 悔しさが原動力となり、結果を残して打者転向の話題も封印した。芸術品とも言われた制球力、球の切れ味は投手・秋山として求め続けた“結晶”そのものだった。【阪神担当=柏原誠】

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