東京ドームでは今季最後の「伝統の一戦」で、逆襲への劇的な逆転勝ちをつかんだ。巨人坂本勇人内野手(36)が9-10の9回1死二、三塁で登場し、自身初の代打でのサヨナラ打。二転三転した首位阪神との攻防戦を総力戦で制し、2位死守で乗り込みたいCSへ、大きな弾みとなった。

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「神様」の出番を皆が待っていた。1点ビハインドの9回。先頭中山が四球を選び、リチャードがしぶとく内野安打。ルーキー浦田が犠打でつないだ。

準備をしていたのは坂本だった。好機をつくれば決めてくれると、皆が信じていた。背番号6の姿に、満員のスタンドから降り注ぐ応援。中山は「すごい歓声でしたし、やっぱり神様でした」。浦田は「勇人さんなら決めてくれる」と確信していた。

代打として6日中日戦(バンテリンドーム)では9回に同点打、10日広島戦(東京ドーム)では8回に決勝の左犠飛。阿部監督も「一番大事なところで取って置いている」と全幅の信頼で送り出していた。

「何とか事を起こしたい」。坂本が期待、重圧に頭を動かす。阪神ドリスに「シュートがくる」の予想は外れ、5球連続スライダーでフルカウント。「何とか前に」と6球目、151キロのツーシームをたたいた。球足鋭く遊撃熊谷のグラブをはじき中前へ転がした。

サヨナラの舞台を演出したリチャードは「かっこ良すぎますよね」と、しびれた。一気に歓喜の輪ができ、ウオーターシャワーかと思いきや「浴びてないです。リスペクトがあるので大丈夫でした」と、殊勲の36歳はおどけた。

代打で3度続けての大仕事。初回に3失点、その裏に中山の満塁弾で逆転しながら、5回に一挙7失点で敗色ムードが漂った。今季を象徴するように、虎に威圧された。

ただ、諦めない。切り札が、今の巨人にはある。「みんな諦めずにシチュエーションを作ってくれた。勝ちに貢献できて良かった」。頼もしすぎるベテラン。試合後のスタンドでは「坂本勇人はなぜ神なのか」と書かれたタオルが振られていた。【阿部健吾】

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