<阪神8-4DeNA>◇14日◇甲子園

 阪神のルーキー藤浪晋太郎投手(19)が、うれしい6勝目をマークした。お立ち台には、満塁本塁打の新井良、6回に逆転打を放った今成とともに3人で上がった。

 初めてのナイター登板は雨で試合開始が30分以上遅れた。それでも試合後、まばゆいばかりのカクテル光線は気持ちよかった。

 「(新井)良太さん、今成さんが打ってやるぞ、と言ってました。その約束を果たしてもらいました」。ルーキーとは思えぬマウンドさばき同様、先輩を立てることも忘れなかった。

 粘った。2回にブランコに先制ソロを許したものの、その後は低めを丁寧に突いた。最少失点に食い止めた。6回5安打1失点。DeNA先発三浦から打線もようやく6回に7点を奪って援護射撃。藤浪に白星がついた。

 「甲子園のナイターも初めてですが、ファンの方がたくさん応援に来てくれているのでしっかり投げようとマウントに上がりました」。

 勝ち星に恵まれない時期もあったが、7日広島戦(マツダスタジアム)ではエース前田健太とのガチンコ勝負に勝ったばかり。今夜も“大物”ハマの番長に投げ勝っての連勝だ。

 「周りの方に助けてもらいながら勝ち星をつけてもらっている。今後もチームの勝ちに貢献したい」(藤浪)。15日から始まる巨人との首位攻防戦に弾みをつける1.5差。その後は夢の球宴と大舞台は続く。

 「球宴は真剣勝負の場。阪神ファンの思いを背負って思い切ってやってきたい」。昨夏は全国高校野球選手権で甲子園優勝投手となった197センチの藤浪が、ひときわデッカく見えた。