初のシングルベルト獲得へ意気込む東京女子プロレスの瑞希(撮影・松熊洋介)
初のシングルベルト獲得へ意気込む東京女子プロレスの瑞希(撮影・松熊洋介)

悲願のシングルベルトは、大好きな相棒から奪いたい-。東京女子プロレスの瑞希(28)が、18日に行われる「GRAND PRINCESS'23」大会(東京・有明コロシアム)で「プリンセス・オブ・プリンセス」のベルトに挑戦する。16日に28歳を迎え、最初の試合がプロレス人生を大きく変えるかもしれない大一番となった。

最高峰のベルトを巻く姿をどうしても見せたい人がいる。それは対戦相手の坂崎ユカ。これまで「マジカルシュガーラビッツ」のタッグパートナーとして何度も一緒にリングに上がり、苦楽をともにしてきた。そんな仲間であり、あこがれでもある坂崎から「ベルトを奪って、頂点に立ちたい」という。本当なら戦いたくない「複雑な気持ち」があったものの、1月4日に次期挑戦者を決めるバトルロイヤルで勝利。その後の試合で王者だった坂崎が防衛に成功し、対戦が決定した。

シングルベルトへの思いは人一倍強い。17年4月から本格参戦。18年8月から坂崎と組み「東京女子を背負っていきたい」思いが次第に大きくなった。それでも最高峰の壁は高く、これまで4度挑戦も届かず。心折れそうになった時もあったが、坂崎の支えもあって「簡単に手に入らないものだから、絶対にあきらめたくない」と前を向いた。

大好きなファンの声援も瑞希の挑戦を後押しする。毎試合後に行われるサイン会での行列の長さは、東京女子内でもトップクラス。数回会っただけで名前を覚えることもあるという。「応援してくれるファンの方々のおかげ」。アイドルレスラー出身の瑞希は、この言葉をことあるごとに口にする。

近くにいたパートナーの背中を追い続け、ファンの声を力に変えて、強くなったことが対決を生んだ。「自分の成長した姿、王者になってベルトを巻く姿をユカに見てもらいたい」。シングルマッチで1度も勝てなかった大好きな坂崎から初めての3カウントを奪い、大好きなファンの前で、堂々と頂点に立つ。【松熊洋介】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)

◆瑞希(みずき) 1995年(平7)3月16日、兵庫県神戸市生まれ。井上貴子プロデュースのアイドルレスラープロジェクト「VoLume2」の2期生として、12年12月にデビュー。その後SAKIと組み、さまざまな団体の大会に出場。17年から東京女子に参戦し、坂崎とのコンビで18年8月にプリンセスタッグ王者に輝いた。必殺技はアクアマリン、キューティースペシャル、渦飴など。157センチ、A型。

初のシングルベルト獲得へ意気込む東京女子プロレスの瑞希(撮影・松熊洋介)
初のシングルベルト獲得へ意気込む東京女子プロレスの瑞希(撮影・松熊洋介)
試合会場の有明コロシアムで元気よくポーズを決める東京女子プロレスの選手たち(撮影・松熊洋介)
試合会場の有明コロシアムで元気よくポーズを決める東京女子プロレスの選手たち(撮影・松熊洋介)